2011年4月3日日曜日

たぶん彼女は僕をフランスに連れていってくれる。

Flickr(230,231)アップしました。

今日はこの曲。



Ryan Adams - Sylvia Plath

「ライ麦畑でつかまえて」の女の子版といわれている小説が
あるのをご存知でしょうか?
それが、このRyan Adamsが歌っている、
Sylvia Plathの「ベル・ジャー」という小説です。

正直、ライ麦畑の女の子版なんて、かなり読みたくない。
ライ麦畑の主人公のホールデン君は、
なんだかんだいっても10代の男の子なので
非常にわかりやすく、悪態ついていても
そんなもんだぜと、読み流すことはできるけど
相手が女の子で、思春期で、さらに、当時の邦訳のタイトルが
「自殺志願」。そんでもって、精神病院にいっちゃったりするらしいし、
積極的には読みたくはないとおもっていたのだけど、
と、同時にこの本をずっと探していた。
なぜなら、Ryan Adamsのこの曲があまりに美しいので、
おそらく、素晴らしいのだろうとおもっていたからだ。
Sylvia Plathは詩人としても有名なので(というかどちらかというと詩人として有名)
詩は読んだこともあったのだけど、
この小説は本屋さんでチェックしても、なかなか見かけなかった。
(ネットでは、見かけていたけど、上記の理由で、
そこまでして読もうともおもっていなかった。)

そして、運悪い?ことに
こんな時期にこの本を某古本屋でみつけてしまった。
とはいっても、一応、10年ぐらいこの本を探していたので、
やはり、買わなくてはと買ってしまい、
別に今、読む必要ないのかもしれないけれど、
読んでしまいました。

特別、ライ麦畑との類似点などはないけれど、
要は、たしかに思春期特有のあの感じ、とでもいえばいいのでしょうか、
無防備さと辛辣さとなにかに対する嫌悪感、不安そういったものですよ。
そして、セックスに対する恐怖感だったり、 自殺未遂。
これで、援助交際あったら、携帯小説書けちゃうぜい、(読んだことないけど。)
みたいな内容ではあるのかもしれません。
それでも、実のところ、読んだあと、じとーっとした嫌な感じはなくて、
その主人公のエスターが(自伝的な小説なので、
シルヴィア本人と考えても良いのかもしれません。)
それでも、とても魅力的で、Ryan Adamsが

And maybe she'd take me to France
Or maybe to Spain and she'd ask me to dance
In a mansion on the top of a hill
She'd ash on the carpets
And slip me a pill
Then she'd get pretty loaded on gin
And maybe she'd give me a bath
How I wish I had a Sylvia Plath

そして、たぶん彼女は僕をフランスに連れていってくれる。
もしかすると、スペインかも、そして僕をダンスに誘うんだ。
丘の上のお屋敷で、
カーペットに灰を落として
僕に錠剤を渡し、
そして、ジンで僕を酔わせてしまう。
それから、たぶん僕を風呂に入れてくれる。
そんなふうに、いてくれればよいのに、シルヴィア・プラスが。

と歌ったのが、合点いった。
といった感じで、またまた、この曲を何度も聴いてしまうのです。
素晴らしい。

この「ベル・ジャー」が出版された1ヶ月後に彼女は自殺しました。
夫の浮気、制作活動の行き詰まり、経済難という、
まさしく、三重苦とでもいえるような状況だったようです。
グウィネス・パルトローが主演で
「シルヴィア」という題名で
彼女の一生が映画化されているようです。(見てない。)

ではでは、また。

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